法人税の納付方法と期限|2か月以内・ダイレクト納付やクレカ・コンビニ

法人税の納付期限は事業年度終了日の翌日から2か月以内(法人税法74条)。納付方法はダイレクト納付・インターネットバンキング・クレジットカード・コンビニ・窓口の6種類で、それぞれ上限額や手数料が違います。申告期限を延長しても納付の期限は延びず利子税がかかる点、納期限に遅れたときの延滞税(令和8年は年2.8%/9.1%)まで一次ソースで整理します。

執筆: 法人化ナビ編集部 / 最終更新: 2026年6月4日

法人税の納付の基本(令和8年度・2026年)

納付期限は申告と同じく事業年度終了の翌日から2か月以内。納付方法は6種類あり、上限額や手数料で使い分けます。

  • 2か月以内 納付期限 事業年度終了日の翌日から(法人税法74条)
  • 6種類 納付方法 ダイレクト納付・ネットバンキング・クレカ等
  • 年2.8%〜 延滞税(令和8年) 2か月超は年9.1%・毎年変動
  • 1,000万円未満 クレカ納付上限 1件あたり・決済手数料がかかる
法人税の納付方法と期限:2か月以内・ダイレクト納付やクレカ・コンビニを解説するアイキャッチ

結論:納付期限は2か月以内、納付方法は6種類

法人税の「納付」で押さえるべきことは、大きく分けて期限納付方法の2つです。まず結論を整理します。

出典:法人税法74条・75条の2/国税庁 No.9205。令和8年度(2026年)時点。延滞税率は毎年変動。
論点内容ポイント
納付期限事業年度終了日の翌日から2か月以内申告期限と同じタイミング(法人税法74条)
納付方法6種類から選択ダイレクト納付・ネットバンキング・クレカ・コンビニ・窓口
申告期限の延長納付期限は延びない延長期間中は利子税がかかる
納期限に遅れたとき延滞税がかかる令和8年は年2.8%(2か月超は年9.1%)

この記事は、はじめて決算・納付を迎える1人法人・中小法人の経営者や経理担当者向けに、いつ・どうやって法人税を納めるかを納付の実務に絞って整理します。決算から申告までの全体の流れは法人決算・申告の流れと期限を、法人が払う税金の種類は法人にかかる税金の種類と実効税率をあわせてご覧ください。

①納付期限 — 申告と同じ「2か月以内」

法人税の納付期限は、各事業年度終了日の翌日から2か月以内です(法人税法74条・77条)。申告書の提出期限と同じタイミングのため、実務では申告と納付をセットで2か月以内に済ませるのが基本になります。

決算月ごとの原則の期限は、次のように決算月から2か月後で逆算します。

決算月から2か月後が原則の納付・申告期限(法人税法74条・77条)。期限が土日祝のときは翌開庁日。
決算月(事業年度終了月)納付・申告の原則の期限
3月決算5月31日
12月決算翌年2月末日
9月決算11月30日
6月決算8月31日

期限日が土日祝のときは翌開庁日にずれる

納付・申告の期限日が土曜・日曜・祝日にあたるときは、その翌開庁日が期限になります。たとえば5月31日が日曜であれば、翌月曜日が期限です。ぎりぎりに納付する場合は、金融機関やe-Taxの受付時間も含めて余裕を持って手続きするのが安全です。

②納付方法6種類と使い分け

法人税の納付方法は、国税庁の案内で大きく6種類に整理されています。法人の場合、e-Taxで申告したあとそのまま口座引落しできるダイレクト納付が手間が少なく、上限額もないため使い勝手が良い方法です。一方、クレジットカード納付やコンビニ納付には金額の上限手数料があるため、金額と手間に応じて使い分けます。

出典:国税庁「納税に関する総合案内」。上限額・手数料は令和8年(2026年)時点。
納付方法上限額手数料向いているケース
ダイレクト納付(e-Tax)上限なしなしe-Tax申告とあわせて口座引落しで完結したい
インターネットバンキング等上限なし原則なしネットバンキングで都合のよいタイミングに納付したい
クレジットカード納付1件1,000万円未満あり(納税者負担)ポイント・支払い繰り延べを優先したい
コンビニ納付(QRコード)30万円未満なし少額を現金でコンビニ払いしたい
コンビニ納付(バーコード)30万円以下なし税務署発行のバーコード納付書で払いたい
金融機関・税務署の窓口上限なしなし納付書を持って窓口で現金納付したい

法人税は納付額がまとまった金額になりやすいため、上限のないダイレクト納付・インターネットバンキング・窓口のいずれかが基本の選択肢になります。コンビニ納付は30万円までという上限があるので、少額の税目や中間納付などで使う場面が中心です。

ダイレクト納付・インターネットバンキング(e-Tax)

ダイレクト納付は、e-Taxで申告データを送信したあと、あらかじめ届け出ておいた預貯金口座から、指定した日に口座引落しで納付する方法です。上限額がなく、手数料もかからないため、法人税のようにまとまった金額を納める場合でも使いやすいのが特徴です。利用するにはe-Taxの利用開始手続きと、口座情報を登録する「ダイレクト納付利用届出書」の提出が事前に必要です。

インターネットバンキング等は、e-Taxで「ペイジー(Pay-easy)」の納付情報を取得し、金融機関のネットバンキングやATMから納付する方法です。こちらも上限額がなく、原則として手数料はかかりません。すでにネットバンキングを使っている法人なら、申告後に都合のよいタイミングで納付できます。

法人が口座引落しで納めるならダイレクト納付

個人の所得税などで使われる「振替納税」とは別に、法人が口座引落しで納めたい場合は、ダイレクト納付を利用するのが一般的です。設立後にe-Taxの利用開始とダイレクト納付の届出を済ませておくと、毎期の納付がスムーズになります。

クレジットカード納付(1,000万円未満・手数料あり)

クレジットカード納付は、「国税クレジットカードお支払サイト」からカード決済で納める方法です。1回の納付につき1,000万円未満という上限があり、納付税額に応じた決済手数料が別途かかります(手数料は納税者の負担)。手数料を払ってでもカードのポイント還元や支払いの繰り延べを優先したい場合に向きます。

納付額が大きいと手数料も大きくなる

クレジットカード納付の決済手数料は納付額に応じて増えるため、法人税のように金額が大きいと手数料負担も無視できません。手数料とポイント還元を比べて、メリットが上回るかを確認してから使うのが現実的です。手数料を避けたい場合は、上限がなく手数料もかからないダイレクト納付・インターネットバンキングを選ぶとよいでしょう。

コンビニ納付(30万円まで)・窓口

コンビニ納付には、e-Tax等で作成したQRコードを使う方法(30万円未満)と、税務署が発行するバーコード付き納付書を使う方法(30万円以下)があります。いずれも手数料はかかりませんが、30万円という上限があるため、納付額が大きい法人税の本税では使えないことが多く、少額の税目や中間納付などで使う場面が中心です。

金融機関・税務署の窓口では、納付書を持参して現金で納付できます。上限額はなく手数料もかかりませんが、窓口へ出向く手間がかかります。電子納付の準備が間に合わないときの選択肢として押さえておくとよいでしょう。

納付方法を選ぶときのポイント

  • 法人税の本税は金額が大きいため、上限のないダイレクト納付・ネットバンキング・窓口が基本
  • コンビニ納付は30万円まで。少額の税目・中間納付向き
  • クレジットカード納付は1件1,000万円未満+決済手数料(納税者負担)
  • ダイレクト納付・ネットバンキングは事前にe-Taxの利用開始手続きが必要

③申告期限を延長しても「納付」は2か月以内 — 利子税がかかる

決算や株主総会の都合で2か月以内に申告が間に合わないとき、法人税の申告期限を延長できる特例があります(法人税法75条の2)。ここで誤解しやすいのが、延長できるのは「申告」の期限であって、「納付」の期限ではないという点です。

「申告期限が延びれば納税も後回しにできる」は誤り

申告期限を延長しても、本来の納付期限(事業年度終了の翌日から2か月以内)は変わりません。延長した期間に対応する分には利子税がかかります(法人税法75条・国税通則法64条)。「申告期限を延ばしたから納税も後回しにできて負担なし」という理解は誤りで、延長期間中も利子税付きで納付義務が続きます。

実務では、当初の2か月以内に見込みの税額を納めておき(見込納付)、確定後に精算することで利子税を抑える対応がとられることがあります。利子税の具体的な割合は特例基準割合により毎年変動し、ケースによって扱いが変わるため、延長の適用を検討する場合は税務署または税理士に確認してください。申告期限の延長特例の要件そのものは法人決算・申告の流れと期限で整理しています。

④納期限に遅れると延滞税 — 令和8年は年2.8%/9.1%

納付が期限に間に合わないと、本税に加えて延滞税がかかります。延滞税は、納期限の翌日から納付の日までの日数に応じて、本税に対して計算される利息のような性質の税です。

出典:国税庁 No.9205。令和8年(2026年1月1日〜12月31日)の割合。特例基準割合に連動して毎年変動。
期間令和8年(2026年)の割合本来の法定割合
納期限の翌日から2か月以内年2.8%年7.3%
納期限の翌日から2か月を超えた期間年9.1%年14.6%

本来の法定割合は年7.3%/14.6%ですが、現在は特例基準割合に連動した低い割合が適用されており、令和8年は2か月以内が年2.8%、2か月を超えると年9.1%です。この割合は毎年見直されるため、年によって変わります。納期限から日数が経つほど、また2か月を超えると割合が上がるため、遅れたら放置せず早めに納めるほど延滞税は小さく済みます。

一括で納められないときは税務署に相談を

資金繰りの都合でどうしても一括納付が難しい場合でも、無申告・無納付のまま放置するのは避けてください。事情によっては、税務署に相談することで換価の猶予などの制度を案内してもらえる場合があります。早めに申告だけは済ませ、納付方法や分割の相談をすることが、ペナルティを最小限にする近道です。

⑤中間納付・地方税(住民税・事業税)の納付期限

決算時の確定納付のほかに、納付のタイミングが関わる論点として中間納付地方税があります。それぞれの納付期限を整理します。

出典:法人税法71条/地方税法53条。中間納付の対象判定は中間申告の記事を参照。
区分納付期限根拠
法人税の中間納付(予定申告)事業年度開始後6か月経過日から2か月以内法人税法71条
法人住民税・法人事業税(地方税)事業年度終了日の翌日から2か月以内地方税法53条(国税と同じ)

中間納付は、前事業年度の確定法人税額が一定額を超える法人が、期の途中で前払い的に納める制度です。納付期限は事業年度開始後6か月を経過した日から2か月以内です(法人税法71条)。設立1期目は前期がないため、原則として中間納付は不要です。対象になるかどうかの判定や納付額の計算は法人税の中間申告と中間納付で詳しく整理しています。

法人住民税・法人事業税といった地方税も、納付期限は国税(法人税)と同じく事業年度終了日の翌日から2か月以内です(地方税法53条)。提出・納付先は都道府県・市区町村に分かれますが、期限の考え方は法人税と共通なので、まとめて逆算して管理すると漏れがありません。

よくある質問(FAQ)

法人税の納付期限はいつですか?

法人税の納付期限は、各事業年度終了日の翌日から2か月以内です(法人税法74条・77条)。これは申告書の提出期限と同じタイミングで、3月決算の法人なら3月31日の翌日から数えて5月31日が原則の期限になります。12月決算なら翌年2月末、9月決算なら11月末というように、自社の決算月から2か月後を期限として逆算してください。申告と納付の期限は基本的に同じなので、申告書を出すときに納税もあわせて済ませるのが基本の流れです。

法人税はどうやって納めればいいですか?

法人税の納付方法は主に6種類あります。e-Taxを使う「ダイレクト納付」「インターネットバンキング等」、「クレジットカード納付」、「コンビニ納付」、「金融機関の窓口」「税務署の窓口」です。法人の場合は、e-Taxで申告したあとそのまま口座引落しで納められるダイレクト納付が手間が少なく、上限額もないため使い勝手が良い方法です。納付額が大きい・手数料を避けたいならダイレクト納付やインターネットバンキング、コンビニで現金払いしたい少額のケースならコンビニ納付(30万円まで)、といったように、金額と手間で使い分けます。

クレジットカードで法人税を払うと手数料はかかりますか?

かかります。クレジットカード納付は「国税クレジットカードお支払サイト」から行い、納付税額に応じた決済手数料が別途発生します(手数料は納税者の負担です)。また、1回の納付につき1,000万円未満という上限があり、利用するカードの決済可能枠の範囲内でしか納付できません。手数料を払ってでもカードのポイントや支払いの繰り延べを優先したい場合に向く方法で、納付額が大きい法人税では手数料負担も大きくなる点に注意してください。手数料を避けたい場合は、ダイレクト納付やインターネットバンキングが無難です。

申告期限を延長したら、納付も後ろにずらせますか?

いいえ、延長できるのは申告の期限であって、納付の期限ではありません。法人税法75条の2の特例で申告期限を延長しても、本来の納付期限(事業年度終了の翌日から2か月以内)は変わらず、延長した期間に対応する分には利子税がかかります。実務では、当初の2か月以内に見込みの税額を納めておき(見込納付)、確定後に精算することで利子税を抑える対応がとられることがあります。利子税の具体的な割合は特例基準割合により毎年変動し、ケースによって扱いが変わるため、適用を検討する場合は税務署または税理士に確認してください。

納付が期限に間に合わないとどうなりますか?

納期限を過ぎると、本税に加えて延滞税がかかります。令和8年(2026年1月1日〜12月31日)の延滞税は、納期限の翌日から2か月以内の期間が年2.8%、2か月を超えた期間が年9.1%です(国税庁 No.9205)。この割合は特例基準割合に連動して毎年見直されるため、年によって変わります。資金繰りの都合で一括納付が難しい場合でも、放置せず早めに納めるほど延滞税は小さく済みます。納付が難しいときは、税務署に相談すると換価の猶予などの制度を案内してもらえる場合があります。

出典・編集情報

このページは以下の法令・国税庁の公的資料を一次ソースとして作成しています。内容は令和8年度(2026年)時点の制度・割合に基づきます。

執筆: 法人化ナビ編集部 / 最終更新: 2026年6月4日

内容は令和8年度(2026年)の現行法令・国税庁の公表資料に基づく一般的な解説で、個別の事案への適用を保証するものではありません。延滞税・利子税の割合は特例基準割合に連動して毎年変動し、納付方法ごとの上限額・手数料、申告期限延長時の見込納付や利子税の扱いは制度改正や個別事情で変わります。実際の納付・期限の管理にあたっては、税務署または税理士にご確認ください。

本ツールは令和8年度(2026年)の税率・基準をもとに計算しています。最新の情報は各省庁のWebサイト等でご確認ください。