会社設立の必要書類 完全ガイド|合同会社8点・株式会社10点の一覧と取得方法・準備フロー

会社設立の必要書類を、合同会社8点・株式会社10点の一覧で整理。法務局公式PDFと国税庁・各社サービス公開情報をもとに、書類名・作成主体・取得方法・取得コストまで網羅。電子定款の場合の書類差、よくある不備・差し戻し事例、自分で揃える場合とサービス自動作成の比較まで扱います。

執筆: 法人化ナビ編集部 / 最終更新: 2026年5月21日

会社設立の必要書類・主要数値(2026年5月時点)

合同会社は8点・株式会社は10点が基本。オンライン申請ならCD-R添付は不要

  • 8点 合同会社の書類数 登記書類7点+会社実印(紙申請時はCD-R追加)
  • 10点 株式会社の書類数 取締役複数なら印鑑証明書追加
  • 3ヶ月以内 印鑑証明の有効期限 発行から3ヶ月以内のものを添付
  • 0円 電子定款で印紙税 紙定款¥40,000が不課税に
会社設立の必要書類 完全ガイド:合同会社8点・株式会社10点のチェックリストと取得方法を解説するアイキャッチ

会社設立の必要書類は、合同会社で8点、株式会社(取締役会非設置・発起設立)で10点が基本です。法務局の「商業・法人登記の申請書様式」公開情報と、マネーフォワード・freee・弥生のかんたん会社設立サービスが案内する書類リストはほぼ一致しており、追加が発生するのは「現物出資する場合」「法人が社員になる場合」など特殊ケースに限られます。

ここでは、合同会社と株式会社それぞれの必要書類を一覧表で整理し、書類名・作成主体(誰が作るか)・取得方法・取得コストまで網羅します。書類ごとに「ありがちな不備」と「順序ミスで差し戻されるパターン」もまとめているので、自分で書類を揃える方は提出前のチェックリストとして使えます。設立費用全体の内訳は合同会社設立費用 完全ガイドで、法人登記住所の選び方は法人登記対応バーチャルオフィス3社比較で扱っています。

この記事の前提と免責

  • 書類リスト・点数は2026年5月時点の法務局公式PDF(合同会社設立登記申請書 ver.4.0・株式会社設立登記申請書)と、マネーフォワード・freee・弥生の公開情報をもとに整理しています
  • 株式会社は取締役会非設置・発起設立の最も基本的な構成を想定。取締役会設置会社・募集設立では追加書類が発生します
  • 現物出資・法人社員・外国籍代表者などの特殊ケースでは別途追加書類が必要です。これらの特殊ケースは扱いません
  • マネフォ・freee・弥生のサービスの「書類自動作成機能」は2026年5月時点の各社公式公開情報に基づきます。提供範囲・機能は改定の可能性があるため、申込前に必ず各社公式サイトで最新情報を確認してください

結論:合同会社8点・株式会社10点を1枚のチェックリストで整理

結論を先に出します。会社設立に必要な書類の全体像は次のとおりです。書類点数は会社形態と申請方式(紙申請かオンライン申請か)で多少変動します。

会社設立の必要書類・1分で結論

  • 合同会社(最もシンプル):8点 — 登記申請書/定款/代表社員等の決定書/代表社員就任承諾書/払込証明書/印鑑届書/印鑑証明書/会社実印(紙申請の場合のみCD-R追加)
  • 株式会社(取締役会非設置・発起設立):10点 — 上記に加えて「定款は公証人認証済が必要」「設立時取締役の就任承諾書」「設立時取締役の印鑑証明書」「発起人決定書」が追加
  • 共通で準備するもの — 代表者の個人実印・印鑑証明書(3ヶ月以内)・本人確認書類・資本金を払い込む個人口座の通帳コピー
  • 電子定款を選ぶと — 定款の印紙税¥40,000が不課税になる(書類点数自体は減らない)
  • 自分で揃えるか・サービスで自動作成するか — マネフォ・freee・弥生のかんたん会社設立は基本利用無料で書類を自動作成する。書類不備による差し戻しリスクを下げる傾向がある

書類を揃える順序にも注意が必要です。「定款作成日 → 資本金払込日 → 登記申請日」の順序を厳守しないと、払込証明書の日付が定款作成日より前になるなど不整合が発生し、法務局から差し戻されます。詳しくは「準備フローチャート」と「よくある不備・差し戻し事例」のセクションで扱います。

会社形態を問わず共通で必要なもの

会社形態を問わず、最初に準備しておくものが4点あります。これらは登記申請書の添付書類というよりも「会社設立の前提として手元に揃えておくもの」です。

設立準備の共通4点セット

  • 代表者の個人実印 — 市区町村役所に印鑑登録済の実印。定款・就任承諾書・印鑑届書に押印する。シャチハタ・三文判は不可
  • 代表者の個人印鑑証明書(3ヶ月以内) — 印鑑届書とセットで法務局に提出。市区町村窓口で1通¥300、マイナンバーカードでコンビニ交付なら1通¥200
  • 本人確認書類 — マイナンバーカード・運転免許証・パスポート等。サービス利用時の本人確認や、公証人による定款認証時(株式会社のみ)に必要
  • 資本金を払い込む個人口座の通帳 — 払込証明書を作成するため、通帳の表紙・1ページ目・払込記録ページのコピーを取る。法人口座は設立登記完了後でないと開設できないため、設立時点では発起人(代表者)の個人口座を使う

個人実印・印鑑証明書は必ず先に揃える

個人実印を持っていない方は、まず市区町村役所で実印登録を行ってから印鑑証明書を取得する必要があります。実印登録には印鑑登録申請書の提出と即日交付(自治体により当日交付できない場合あり)の手続きが必要で、慣れていないと半日かかります。会社設立を急ぐ場合、この個人実印の準備が最初のボトルネックになりがちです。「個人実印を持っているか・印鑑証明書を最近取ったか」を最初に確認することをおすすめします。

共通4点セットの取得コスト合計は、個人実印を新規作成する場合で¥3,000〜¥20,000程度(機械彫り格安〜手彫り高品質)に印鑑証明書取得費¥200〜¥600が加わる程度です。すでに個人実印を持っている方は、印鑑証明書取得費の¥200〜¥600のみで揃います。

合同会社の必要書類一覧(8点)

合同会社の必要書類は、法務局に提出する7点と、会社実印(実物の印鑑)の計8点で構成されます。合同会社は会社法第30条の定款認証義務の対象外のため、株式会社で必要になる「公証人による認証済定款」「設立時取締役の就任承諾書」が不要で、書類数が少なく済みます。

合同会社・必要書類チェックリスト

出典:法務局「商業・法人登記の申請書様式」合同会社設立登記申請書 ver.4.0・マネーフォワード/freee/弥生 公開情報(2026年5月時点)
#書類名誰が作る取得方法・取得先
1合同会社設立登記申請書発起人(社員)法務局公式PDF様式をダウンロード/サービス自動作成
2定款(電子定款または紙定款)発起人(社員)自作または弁護士・行政書士・サービス自動作成
3代表社員・本店所在地及び資本金の決定書発起人(社員)全員の合意自作(定款で具体的に定めれば省略可)
4代表社員の就任承諾書代表社員本人自作(書式は法務局PDF参照)
5払込証明書(資本金の払込みがあったことを証する書面)代表社員自作+通帳コピー添付
6印鑑(改印)届書代表社員法務局公式様式に会社実印を押印して提出
7代表社員の個人印鑑証明書(3ヶ月以内)市区町村役所市区町村窓口¥300またはコンビニ¥200
8会社実印(代表者印)印鑑作成業者印鑑店またはネット印鑑店(¥3,000〜¥20,000)
追加(紙申請の場合のみ)登記すべき事項を記録したCD-R発起人市販CD-R+テキストファイル作成(オンライン申請なら不要)

主要書類の作成ポイント(合同会社)

合同会社で特に注意が必要な書類を3つ取り上げます。

① 定款(合同会社)の必須記載事項

合同会社の定款には会社法第576条で5つの絶対的記載事項が定められています。これが1つでも欠けると定款として無効になります。

  • 目的(事業内容)
  • 商号(会社名)
  • 本店の所在地
  • 社員の氏名又は名称及び住所
  • 社員全員が有限責任社員である旨(合同会社の特性)

合同会社は公証人認証が不要なため、書式の自由度は高いものの、上記5点の記載漏れがあると登記時に法務局で差し戻されます。サービス利用時は自動でこれらの記載が組み込まれる傾向があります。

② 払込証明書の作成ルール

払込証明書は、資本金が代表社員の個人口座に振り込まれたことを証明する書類です。次のルールを守る必要があります。

  • 振込日は定款作成日以降でなければならない(順序を逆にすると差し戻し)
  • 通帳の表紙・表紙裏(口座名義・支店名)・払込記録ページの3点をコピーして添付
  • 払込人欄に発起人(社員)全員の氏名と払込額が記載されていること
  • 振込か預入かは問わない(自分の口座への預入でも可)。ただし振込のほうが日付・金額・氏名が明確で安全

③ 印鑑届書と会社実印の準備

会社実印は、設立登記後に取得する「会社の印鑑証明書」のもとになる印鑑です。設立登記申請時に印鑑届書とともに法務局に届け出ます。

  • 会社実印は辺の長さ1cm超〜3cm以内の正方形に収まるものと規定されている(商業登記規則第9条)
  • シャチハタ・三文判は不可。機械彫りでも要件を満たせばOK
  • 銀行印・角印(社判)は法務局への届出義務はない。ただし銀行口座開設・契約書押印で実印とは別に必要になる場合が多く、「会社設立3点セット」として実印・銀行印・角印を同時購入するのが一般的

株式会社の必要書類一覧(10点)

株式会社(取締役会非設置・発起設立)の必要書類は10点が基本構成です。合同会社との最大の違いは、定款が公証人による認証を受けたものでなければならない点と、設立時取締役全員の就任承諾書と印鑑証明書が必要になる点です。代表取締役が設立時取締役を兼ねる「1人株式会社」では同一人物の印鑑証明書1通で済みますが、取締役が複数人いる場合は全員分の印鑑証明書が必要になります。

株式会社・必要書類チェックリスト

出典:法務局「商業・法人登記の申請書様式」株式会社設立登記申請書(取締役会非設置・発起設立)/マネーフォワード/freee/弥生 公開情報(2026年5月時点)。表内で青く強調した3行は合同会社にはない株式会社固有の追加書類
#書類名誰が作る取得方法・取得先
1株式会社設立登記申請書発起人法務局公式PDF様式をダウンロード/サービス自動作成
2定款(公証人認証済)発起人+公証人認証自作+公証役場で認証(手数料¥30,000〜¥50,000)
3発起人決定書(発起人決議書)発起人全員の合意自作(本店所在地等を決議)
4設立時取締役の就任承諾書設立時取締役全員自作(取締役各人の実印押印)
5設立時取締役の個人印鑑証明書(3ヶ月以内)市区町村役所代表取締役を兼ねる場合は代表分も兼ねる。複数取締役なら全員分必要(¥300×人数)
6払込証明書(資本金の払込みがあったことを証する書面)発起人自作+通帳コピー添付
7印鑑(改印)届書代表取締役法務局公式様式に会社実印を押印して提出
8会社実印(代表者印)印鑑作成業者印鑑店またはネット印鑑店(¥3,000〜¥20,000)
9本人確認書類(公証人認証時)発起人マイナンバーカード・運転免許証・パスポート等
10設立時代表取締役の選定書発起人または設立時取締役取締役複数なら代表取締役の選定書を作成(取締役1名の場合は省略可)
追加(紙申請の場合のみ)登記すべき事項を記録したCD-R発起人市販CD-R+テキストファイル作成(オンライン申請なら不要)
追加(現物出資時のみ)財産引継書・調査報告書・資本金計上証明書発起人+設立時取締役自作(現物出資の場合のみ)

株式会社で追加になる3書類のポイント

合同会社にはなく株式会社で追加される3書類について、ポイントを整理します。

① 公証人による定款認証(手数料¥30,000〜¥50,000)

株式会社の定款は会社法第30条第1項により公証人の認証を受けなければ効力を生じないと定められています。認証手数料は令和4年(2022年)1月1日施行の公証人手数料令第35条改正で3段階制になっています:

  • 資本金100万円未満:¥30,000
  • 資本金100万円以上300万円未満:¥40,000
  • 資本金300万円以上:¥50,000

定款認証は本店所在地と同じ都道府県内の公証役場で受けます。電子定款の場合も認証手数料は同額です。認証時に発起人本人または代理人が公証役場に出向き、本人確認書類を提示する必要があります。

② 設立時取締役の就任承諾書

株式会社の設立時取締役は、就任することを承諾した旨の書面(就任承諾書)を提出する必要があります。取締役会非設置会社で取締役が1名の場合は1通、3名の場合は3通必要です。各取締役本人が個人実印を押印し、その個人実印の印鑑証明書を添付します。

「1人株式会社」で代表取締役1名のみの場合、就任承諾書1通+印鑑証明書1通で済みます。複数取締役で設立する場合は人数分必要になるため、書類点数と印鑑証明書取得費が増えます。

③ 発起人決定書(発起人決議書)

発起人決定書は、発起人全員の合意で会社の本店所在地・設立時取締役・設立時代表取締役などを決定したことを記載する書面です。定款の中で本店所在地を最小行政区画(東京都新宿区など)までしか記載していない場合、丁目番地までの具体的な所在地を発起人決定書で確定する必要があります。

合同会社の「代表社員・本店所在地及び資本金の決定書」と役割は似ていますが、株式会社では発起人と取締役の概念が分離しているため、書式上は別文書として作成します。

書類ごとの取得方法と取得コスト

書類の取得方法と取得コストを、入手元別に整理します。多くの書類は自作(または法務局公式様式の記入)ですが、印鑑証明書・登記事項証明書は公的機関で取得する必要があります。

出典:各市区町村・法務局(手数料は商業登記法施行令・登録免許税法による)・公証人手数料令第35条(2026年5月時点)
取得元取得できる書類取得方法1通あたりコスト
市区町村役所個人印鑑証明書窓口で印鑑登録カードを提示して請求¥300
コンビニ交付(マイナンバーカード)個人印鑑証明書マイナンバーカードで全国のコンビニ複合機から取得¥200
法務局窓口会社印鑑証明書(設立後)会社実印で印鑑カード交付請求→印鑑カード提示で取得¥450/通
法務局オンライン申請(登記・供託オンラインシステム)会社印鑑証明書(設立後)オンライン請求→法務局窓口受取または郵送¥390(窓口受取)
法務局窓口登記事項証明書(履歴事項全部証明書・設立後)法務局窓口で交付請求書を提出¥600
法務局オンライン申請登記事項証明書オンライン請求→窓口受取または郵送¥500(窓口受取)/¥530(郵送)
印鑑作成業者会社実印・銀行印・角印印鑑店またはネット印鑑店で作成依頼¥3,000〜¥20,000(実印単体)
公証役場認証済定款(株式会社のみ)事前にPDFをメール送付し公証人と日程調整、当日来訪¥30,000〜¥50,000(認証手数料)
自作(法務局PDF様式)設立登記申請書・印鑑届書法務局サイトからPDF・Word様式をダウンロードして記入¥0(用紙代のみ)

印鑑証明書はまとめて取得が効率的

印鑑証明書は3〜5通をまとめて取得するのが現実的です。設立登記で1通、銀行口座開設で1〜2通、税務署・年金事務所届出で1〜2通使うため、別々に取得すると3〜5回市区町村窓口に通うことになります。マイナンバーカードがあればコンビニ交付で1通¥200・全国どこのコンビニでも取得できるため、設立タイミングでマイナンバーカードを取得(市区町村窓口で申請→1ヶ月程度で交付)しておく価値が高い書類のひとつです。

書類取得コストの合計は、合同会社で¥5,000〜¥25,000程度(印鑑証明1〜2通+会社実印新規作成¥3,000〜¥20,000)、株式会社で¥35,000〜¥75,000程度(上記に公証人認証手数料¥30,000〜¥50,000を加算)に収まります。詳しい設立費用全体の内訳は合同会社設立費用 完全ガイドで扱っています。

電子定款を選ぶと書類フローはどう変わるか

電子定款を選ぶと書類点数自体は変わりませんが、定款の作成方法・添付方法・印紙税の有無に違いが出ます。経済的なメリットは大きいものの、初回の機材準備にハードルがあります。

出典:印紙税法 別表第一 第6号文書・印紙税法基本通達第2条・公証人法 第58条(2026年5月時点)
項目紙定款電子定款
書類点数基本構成のまま基本構成のまま(変わらず)
定款の形式A4用紙に印刷+契印・割印PDF+電子署名
印紙税¥40,000(収入印紙を貼付)¥0(不課税)
必要な機材印刷機・実印のみAdobe Acrobat(年額¥20,000規模・継続)/マイナンバーカード/ICカードリーダー(¥2,000〜¥5,000・買い切り)/公的個人認証ソフト
公証人認証(株式会社)公証役場で紙の認証事前にPDFを送付→電子認証
法務局への定款の提出方法紙の定款を添付PDF(電子署名済)を電子申請またはCD-Rに格納して添付
作成時間(経験者)2〜4時間3〜6時間(初回の機材セットアップ含めて10〜20時間)

「登記事項記録CD-R」と「電子定款」は別軸

表中の「定款の提出方法」と、別途必要な「登記すべき事項を記録したCD-R」は別の話です。CD-Rの要否は申請方式(紙申請かオンライン申請か)で決まり、定款の形式(紙か電子か)には依存しません。紙定款+紙申請でもCD-Rは必要で、電子定款+オンライン申請ならCD-Rは不要です。電子定款の本質的なメリットは「印紙税¥40,000の不課税」と「PDFで提出できる利便性」の2点です。

電子定款が「不課税」(非課税ではなく、課税対象である「文書」に該当しないため課税根拠そのものがない)である理由は、印紙税法基本通達第2条が「課税文書とは文書により証されるべき事項が記載されたもの」と規定しており、電磁的記録(PDF+電子署名)が物理的な「文書」に該当しないためです。詳しい論拠は電子定款の作り方で扱っています。

電子定款を「サービス利用で実現する」ルートが現実的

マネーフォワード・freee・弥生のかんたん会社設立サービスは、いずれも電子定款の作成・電子署名・公証人認証の手配までを代行する形で提供されています。Adobe Acrobatや電子証明書を持たない方でも、これらのサービスを使えば印紙税¥40,000不課税のメリットだけを享受することが可能です。自分で電子定款を作る場合の機材準備コスト(¥20,000〜¥30,000規模)・時間コスト(初回10〜20時間)を考えると、サービス利用の経済合理性が大きく出る傾向があります。

準備フローチャート(順序と日数の目安)

書類の準備は、単に書類を集めるだけでなく作成日と支払日の順序が決まっています。法務局は提出された書類の日付の整合性をチェックするため、順序が逆転していると差し戻されます。

準備日数の目安は経験・準備状況により個人差があります。電子定款の機材を初回で揃える場合や、商号の類似調査で再検討が発生した場合はさらに日数がかかります
ステップ作業内容所要日数の目安チェックポイント
1会社の基本事項を決定(商号・本店・目的・資本金・社員/取締役)1〜3日商号は登記前に類似商号調査(同住所での同一商号は不可)
2個人実印・印鑑証明書の準備(市区町村役所)1日(即日〜数日)実印未登録の場合は実印登録が必要
3会社実印の作成(印鑑店またはネット印鑑店)1〜7日ネット注文で即日〜3日、急ぐなら店頭即日仕上げ可
4定款の作成半日〜2日絶対的記載事項の漏れがないか確認
5【株式会社のみ】公証役場で定款認証1日(事前PDF送付→当日認証)事前にPDFをメール送付して公証人と日程調整・本人確認書類を持参
6資本金の払込(発起人個人口座へ)即日【重要】定款作成日以降の日付で振込・全発起人の名義で記載
7払込証明書の作成(通帳コピー添付)半日通帳の表紙・1ページ目・払込記録ページの3点をコピー
8残りの書類作成(登記申請書・印鑑届書・代表者就任承諾書・決定書等)半日〜2日すべての書類に整合性のある日付を記入
9法務局へ登記申請(窓口またはオンライン)即日(窓口は受付即日扱い)登記完了は申請から1〜2週間後(管轄法務局による)

日付順序の厳守が最重要

書類の日付は次の順序を必ず守ってください。順序が逆になると整合性が取れず差し戻されます。

  • 定款作成日(合同会社)/定款認証日(株式会社) < 資本金払込日登記申請日
  • 払込日が定款作成日と同日でも原則OK。ただし「定款作成日より前の払込」は無効になり、再度払い込みが必要になる
  • 印鑑証明書は登記申請日から3ヶ月以内のものを使用。古いものは差し戻し対象
  • 登記申請日から登記完了(会社設立日として登記簿に記載される日)まで1〜2週間かかる。法務局は「申請日が設立日」になるため、希望の設立日に申請日を合わせる

自分で揃える vs サービスで自動生成(時間と書類不備リスクの比較)

自分で書類を揃える場合は、書類間の整合性(商号・本店所在地・資本金額・代表者氏名が全書類で一致しているか)を自分でチェックする必要があります。マネーフォワード・freee・弥生のかんたん会社設立サービスは、入力した基本事項から全書類を自動生成するため、書類間の整合性が自動的に取れる仕組みになっています。

出典:各社サービス公式公開情報(2026年5月時点)。所要時間は経験・業種・準備状況により個人差があります
項目自分で揃えるサービスで自動生成(マネフォ/freee/弥生)
書類作成にかかる時間20〜40時間(電子定款の機材セットアップ含む)5〜10時間(入力中心)
書類間の整合性チェック自分で実施(書類1点ずつ確認)自動(入力データから全書類が生成される)
書式・記載例の参照法務局PDF・書籍・ネット情報を都度確認サービス内ガイド・自動補完
電子定款の機材準備必要(¥20,000〜¥30,000規模)不要(サービス側で代行)
法務局への提出自分で窓口またはオンライン申請生成書類を印刷して自分で窓口提出/オンライン申請対応の場合もあり
書類不備による差し戻しリスク中〜高(初回設立は経験不足で発生しやすい)低(自動チェックで多くの不備を防ぐ傾向)
基本利用料¥0¥0(3社いずれも基本利用無料)
実費(登録免許税・認証手数料・印鑑証明等)同額同額
設立後の会計ソフトとの連携なし(別途自分で選定)マネフォクラウド/freee会計/弥生会計NEXTへスムーズに移行

コスト面では、サービス利用も自分で揃える場合も登録免許税・印鑑証明書・公証人認証料などの実費は同額です。差が出るのは「時間コスト」と「書類不備リスク」の2点です。本業の時給換算が高い方や、書類不備による設立日の後ろずれを避けたい方は、サービス利用の費用対効果が大きく出る傾向があります。

自分で揃える向きのタイプ3条件

  • ① 電子定款の機材を持っている、または継続的に活用する予定がある — Adobe Acrobatの年額サブスクとマイナンバーカード・ICカードリーダーを既に保有している(または今後も他用途で使う)方は、機材を会社設立だけのために新規調達せずに済む
  • ② 本業の時給換算が¥1,500以下、または時間に余裕がある — 書類作成20〜40時間の時間コストを許容できる。会社設立のプロセスを自分で経験して、設立後の登記変更・各種届出も自力で対応する地盤を作りたい方
  • ③ 設立後の会計ソフトを既に決定済み(マネフォ・freee・弥生以外) — 会計ソフトをサービス提供3社以外(例:勘定奉行・PCAなど)に決めている場合、3社サービスのクロスセル導線が活きない

サービスで自動生成する向きのタイプ3条件

  • ① 本業の時給換算が¥3,000以上で20〜40時間の機会損失を避けたい — 書類作成時間を5〜10時間に圧縮できるメリットが、本業の機会損失を上回るケース
  • ② 書類不備による差し戻し(設立日の後ろずれ)を避けたい — 設立日に特定の意味(決算月の調整・取引開始予定日など)があり、差し戻しで予定がずれると影響が大きい方。サービスの自動チェック機能で不備リスクを下げる傾向がある
  • ③ 設立後の会計ソフトをマネフォ・freee・弥生のいずれかで使う予定 — 同じ提供元のサービスを使うと、設立後の記帳・申告までデータがスムーズに引き継がれる傾向がある

上記6条件のうち、当てはまる項目が多い側を選ぶのが現実的です。両方に該当する条件がある(例:機材は持っているが時給は高い)場合は、より優先度の高いほうで判断します。どちらにも明確に該当しない場合は、サービス利用の基本料金が無料で、不要なら途中で自分で揃える方式に切り替えても損失が出ない構造になっているため、まずサービスで書類を自動生成して中身を確認する手順が安全です。

サービス選びは設立後の会計ソフトに合わせるのが現実的

マネーフォワード・freee・弥生のかんたん会社設立サービスは、料金体系・電子定款対応・書類自動作成範囲がほぼ横並びです。差が出るのは設立後に使う会計ソフトとの連携先(マネフォクラウド/freee会計/弥生会計NEXT)です。すでに使い慣れた会計ソフトがあれば、その提供元のサービスを選ぶのが、設立後の記帳・申告までの移行コストを最小化する観点で最も合理的です。3社の詳細比較は合同会社設立費用 完全ガイドの3社比較セクションで扱っています。

よくある不備・差し戻し事例(10パターン)

自分で書類を揃える場合に発生しやすい不備・差し戻しパターンを10件整理しました。提出前のチェックリストとして使ってください。

差し戻されやすい不備パターン(提出前チェック用)

  • ① 払込日が定款作成日より前 — 順序が逆転していて整合が取れない。再度払い込みが必要
  • ② 印鑑証明書の有効期限切れ — 発行から3ヶ月超のものは無効。設立スケジュールに合わせて再取得
  • ③ 定款の絶対的記載事項漏れ — 目的・商号・本店・社員/発起人・有限責任社員の旨(合同会社)等が欠けている
  • ④ 商号の類似商号調査未実施 — 同一住所に同一商号の会社が既に登記されていると登記不可。事前に法務局オンラインで類似商号調査必須
  • ⑤ 会社実印の規格違反 — 辺の長さ1cm超〜3cm以内の規定を満たさない(商業登記規則第9条)
  • ⑥ 押印漏れ・押印ミス — 個人実印を押すべき箇所に認印を押している。または押印自体を忘れている
  • ⑦ 通帳コピーの不足 — 表紙・表紙裏(口座名義)・払込記録ページの3点中いずれかが欠けている
  • ⑧ 本店所在地の記載不一致 — 定款・印鑑届書・登記申請書で本店所在地の表記が微妙に違う(「丁目」と「-」の混在等)
  • ⑨ 登録免許税の納付方法ミス — 収入印紙の貼付漏れ/消印漏れ/印紙の額面不足
  • ⑩ 申請書の代表者氏名と印鑑証明書の氏名が違う — 旧姓使用や戸籍上の表記揺れで不一致になっていないか確認

これらの不備が出た場合、法務局から補正の指示が入ります。軽微な不備は窓口で訂正できますが、定款の記載漏れ・払込日の不整合など重大な不備は書類を作り直す必要があり、その分だけ設立日が後ろにずれます。会社設立サービスを使う場合は、入力データから全書類が自動生成されるため、書類間の不整合(パターン⑧)や定款の記載漏れ(パターン③)が発生しにくい設計になっている傾向があります。

よくある質問(FAQ)

会社設立に必要な書類は全部で何点ですか?

合同会社は8点(法務局提出7点+会社実印の準備物1)、株式会社(取締役会非設置・発起設立)は10点が基本構成です。株式会社は合同会社に比べて「公証人認証済の定款」「設立時取締役の就任承諾書」「設立時取締役の印鑑証明書」など3点ほど書類が追加で必要になります。現物出資する場合は「財産引継書」「調査報告書」など追加書類が発生します。

印鑑証明書は何通必要ですか?

合同会社の場合、代表社員1名分の印鑑証明書1通(発行から3ヶ月以内)が登記申請に必要です。株式会社の場合、設立時取締役全員の印鑑証明書が必要なため、取締役が1名なら1通、3名なら3通必要になります。さらに、設立後の銀行口座開設・税務署届出・年金事務所届出などで追加で2〜3通使うことが多いため、3〜5通をまとめて取得しておくのが現実的です。1通あたり市区町村窓口で¥300、コンビニ交付なら¥200が相場です。

CD-Rは必ず必要ですか?

「登記すべき事項を記録したCD-R」は紙申請の場合に必要ですが、オンライン申請(登記・供託オンライン申請システム)を使う場合は不要です。マネーフォワード・freee・弥生のかんたん会社設立サービスは申請データを電子的に出力する形式で、CD-R添付不要のフローを案内している傾向があります。CD-Rを使う場合は、Windows用FAT/FAT32形式でフォーマットされたものに、テキストファイル(UTF-16・改行コード CR+LF)として登記事項を記録します。

電子定款にすると必要書類は減りますか?

定款の印紙税¥40,000が不課税になるのが最大の差で、書類点数自体は1点も減りません。電子定款はPDFに電子署名を付与する方式で、紙定款の印紙貼付欄に相当する物理的な収入印紙が不要になります。ただし電子署名を付与するためのAdobe Acrobat・マイナンバーカード・ICカードリーダー・公的個人認証ソフト等の機材準備が追加で必要です。コスト構造は次の通りで、初回¥20,000〜¥30,000規模に加えて継続的なAcrobat年額負担が発生します:Adobe Acrobatは年額サブスク¥20,000規模(継続)ICカードリーダー¥2,000〜¥5,000は買い切り、マイナンバーカードと公的個人認証ソフトは無償。合同会社の場合、自分で電子定款を作成して自分で登記するルートは時間コスト・機材コストともに重く、サービス利用で電子定款の不課税メリットだけ享受するのが現実的です。

書類に不備があった場合どうなりますか?

法務局から補正(修正の指示)が入ります。多くの場合、軽微な不備は窓口で訂正できますが、定款の記載漏れ・押印漏れ・印鑑証明書の有効期限切れなど重大な不備は、書類を持ち帰って作り直す必要があります。補正にかかる期間は1日〜1週間程度で、その分だけ設立日(登記完了日)が後ろにずれます。会社設立サービスを使った場合は自動チェックで多くの不備を事前に防げる傾向があり、書類不備リスクを下げたい場合は司法書士依頼またはサービス利用の費用対効果が大きく出ます。

設立後に税務署や年金事務所へも書類提出は必要ですか?

はい、必要です。ここで扱うのは「法務局への設立登記申請書類」に限定していますが、設立登記完了後にさらに以下の届出が必要になります:①税務署「法人設立届出書」(設立後2ヶ月以内)、②都道府県税事務所・市区町村役所への「法人設立届」、③年金事務所「健康保険・厚生年金保険新規適用届」(5日以内)、④労働基準監督署・ハローワーク(従業員雇用時)。詳しくは設立後の届出ガイドで扱います。マネーフォワード・freee・弥生のかんたん会社設立サービスは、これらの設立後届出書も自動作成する機能を備えている傾向があります。

まとめ:書類は順序ミスに注意・電子定款+サービス利用が時間最短

  1. ステップ1:法人化のタイミングを判断(書類準備に進む前)

    事業所得800〜1,000万円帯で迷っている場合は、まず法人化メリット判断ガイドで損益分岐ゾーンを確認。書類準備は法人化を決めてから着手する。

  2. ステップ2:会社形態の決定(合同会社か株式会社か)

    1人法人なら合同会社が書類点数(8点 vs 10点)・設立費用(¥60,000 vs ¥220,000〜)ともに最小。外部出資や上場を見据えるなら株式会社。

  3. ステップ3:本店所在地の決定

    自宅住所登記でよければ追加費用なし。自宅住所を登記簿に載せたくない場合は法人登記対応バーチャルオフィス3社比較でVO検討。本店所在地は全書類で記載が一致する必要があるため、決定後に揺らがない住所を選ぶ。

  4. ステップ4:個人実印・印鑑証明書・会社実印を準備

    個人実印未登録なら市区町村役所で登録から。会社実印は印鑑店またはネット印鑑店で¥3,000〜¥20,000で作成(即日〜7日)。マイナンバーカードがあれば印鑑証明書はコンビニ¥200で取得可。

  5. ステップ5:書類作成の方法を選択(自分で揃える/サービス利用/司法書士依頼)

    時間優先・書類不備リスクを下げたい方はサービス利用(基本無料)が現実的。電子定款の機材を持っている方は自分で作成も選択肢。

  6. ステップ6:定款作成 → 資本金払込 → 登記申請の順序を厳守

    日付順序の不整合は差し戻しの最大原因。「定款作成日 < 資本金払込日 < 登記申請日」を必ず守る。印鑑証明書は登記申請日から3ヶ月以内のものを使用。

必要書類自体の取得は、共通の準備物(個人実印・印鑑証明書・通帳)が揃っていれば、合同会社で1〜2週間、株式会社で2〜3週間が現実的なスケジュールです。書類点数を減らすよりも、書類間の整合性と日付順序のチェックが差し戻し防止の最大ポイントになります。サービス利用は書類自動作成だけでなく整合性チェックも自動化される傾向があるため、初めての会社設立でも書類不備による設立日の後ろずれを抑えやすい選択肢です。

出典・編集情報

このページは、以下の公的機関の公表情報を一次ソースとして作成しています。

執筆: 法人化ナビ編集部 / 最終更新: 2026年5月21日

必要書類のリストは、上記法務局公式PDFと各社サービスの公開情報(2026年5月時点)をもとに記述しています。

このページは2026年5月時点の法令と各社サービス内容に基づいて記述しています。書類様式・手数料・サービス機能は改定される可能性があるため、実際の申込・登記前に必ず法務局・公証役場・税務署等の公的機関、および各社公式サイトで最新情報を確認してください。このページは取締役会非設置・発起設立の最も基本的な構成を想定しており、取締役会設置会社・募集設立・現物出資・法人社員・外国籍代表者などの特殊ケースでは追加書類が必要になります。具体の登記手続きで不明点がある場合は、司法書士または管轄法務局へご確認ください。

本ツールは令和8年度(2026年)の税率・基準をもとに計算しています。最新の情報は各省庁のWebサイト等でご確認ください。