法人住民税・均等割|赤字でも最低¥70,000・法人税割のしくみ

法人住民税は、所得に関係なくかかる「均等割」と、法人税額に応じてかかる「法人税割」の2本柱です。均等割は資本金1千万円以下・従業者50人以下の法人で最低¥70,000(道府県¥20,000+市町村¥50,000)。赤字でも必ずかかる固定費です。法人税割の標準税率7.0%や、法人事業税・特別法人事業税のしくみまで、一次ソースで整理します。

執筆: 法人化ナビ編集部 / 最終更新: 2026年6月5日

法人住民税・均等割の基本(令和8年度・2026年)

法人住民税は2つの部分でできています。とくに均等割は赤字でもかかる固定費なので、設立前から見込んでおくと安心です。

  • 均等割+法人税割 2本柱 所得不問の部分と法人税連動の部分
  • ¥70,000 均等割の最低額 資本金1千万円以下・従業者50人以下
  • 7.0% 法人税割(標準) 法人税額に対する標準税率
  • 均等割は課税 赤字のとき 所得ゼロでも最低額はかかる
法人住民税・均等割:赤字でも最低¥70,000・法人税割のしくみを解説するアイキャッチ

結論:法人住民税は均等割+法人税割、均等割は赤字でも最低¥70,000

会社を設立すると、法人税のほかに法人住民税がかかります。とくに押さえておきたいのは、法人住民税の一部は赤字でも必ずかかる固定費だという点です。まず全体像を整理します。

出典:地方税法52条・53条・312条・321条の8。均等割の最低額は資本金等1千万円以下・従業者50人以下の法人の場合。
法人住民税の内訳何に応じてかかるか赤字のとき
均等割資本金等の額・従業者数(所得は不問)かかる(最低¥70,000)
法人税割法人税額に税率をかけるかからない(法人税がゼロなら)

ポイントは、均等割は所得に関係なくかかるため、赤字の年でも納付が必要だということです。資本金等の額が1千万円以下・従業者数50人以下の法人なら、均等割の最低額は年¥70,000(道府県民税¥20,000+市町村民税¥50,000)。これは設立前から固定費として見込んでおくべき金額です。法人にかかる税金の全体像は法人にかかる税金の種類と実効税率で、赤字決算の実務は法人の赤字決算・赤字申告で扱っています。

①法人住民税の2本柱 — 均等割と法人税割

法人住民税は、均等割法人税割の2つを合計して納めます(地方税法52条・312条)。この2つは性質がまったく異なります。

法人住民税の2つの部分

  • 均等割:資本金等の額と従業者数で決まる定額。所得に関係なく、赤字でもかかる
  • 法人税割:法人税額に税率をかけて計算。法人税がゼロなら法人税割もゼロ

法人住民税は、都道府県に納める道府県民税(東京都は都民税)と、市区町村に納める市町村民税の2階建てになっており、それぞれに均等割と法人税割があります。東京都の23区内に事務所がある場合は、これらをまとめて都民税として都税事務所に申告・納付します。

均等割は固定費として見込んでおく

法人住民税のうち均等割は、利益が出ていなくても毎期かかる固定費です。設立後しばらく赤字が続いても、最低¥70,000の均等割は納める必要があります。法人化を検討する段階から、この固定費を年間コストに織り込んでおくと、資金繰りの見通しが立てやすくなります。

②均等割 — 赤字でもかかる固定費(最低¥70,000)

均等割は、所得(利益)に関係なく、資本金等の額と従業者数に応じて定額でかかる部分です。資本金等の額が1千万円以下・従業者数50人以下の法人の場合、均等割の最低額は年¥70,000で、内訳は次のとおりです。

出典:地方税法52条・312条。資本金等の額1千万円以下・従業者数50人以下の法人の均等割の最低額。
均等割の内訳金額(最低額)備考
道府県民税分(都民税分)¥20,000都道府県に納める
市町村民税分¥50,000市区町村に納める
合計¥70,000資本金等1千万円以下・従業者50人以下

この¥70,000は、赤字でも、所得がゼロでも、毎期かかります。法人住民税の中でこの均等割だけは利益と無関係に発生するため、「赤字なら税金はかからない」と考えていると見込み違いになります。

資本金等が増えると均等割も段階的に上がる

均等割の額は、資本金等の額と従業者数の区分によって段階的に上がります。確定値として示せるのは、資本金等の額1千万円以下・従業者数50人以下の最低額¥70,000です。資本金等の額が1千万円を超える場合の具体的な金額は区分ごとに定められており、自治体によって取り扱いも異なります。正確な金額は、東京都に事務所がある場合は東京都主税局、それ以外は各都道府県・市町村の窓口でご確認ください。

設立時に資本金を1千万円以下にしておくと、均等割は最低額にとどまります。資本金の決め方は資本金はいくらにすべきかでも扱っており、均等割や消費税の観点からも1千万円が一つの区切りになります。

③法人税割 — 法人税額に税率をかける(標準7.0%)

法人税割は、その期の法人税額に税率をかけて計算する部分です。均等割と違って所得(厳密には法人税額)に連動するため、赤字で法人税がゼロの年は法人税割もゼロになります。標準税率は次のとおりです。

法人税割の標準税率(令和元年10月1日以後に開始する事業年度から)。法人税額に対する税率。
法人税割の内訳標準税率根拠
道府県民税分(都民税分)1.0%地方税法53条
市町村民税分6.0%地方税法321条の8
合計(標準)7.0%令和元年10月以後開始事業年度〜

自治体によっては超過課税で高くなる

上記は標準税率です。自治体によっては、これより高い超過課税の税率を定めている場合があります。実際に適用される法人税割の税率は事務所のある自治体によって変わるため、正確な税率は各都道府県・市町村(東京都の場合は東京都主税局)でご確認ください。本記事の7.0%はあくまで標準税率の目安です。

④法人事業税・特別法人事業税のしくみ

法人住民税とは別に、法人事業税もかかります。資本金1億円以下の中小法人の場合、法人事業税は所得に応じてかかる所得割が中心で、赤字で所得がなければ原則として課税されません。この点は、赤字でもかかる均等割とは異なります。所得割の標準税率は、東京都で確認できる値では次のとおり3段階です。

法人事業税(所得割)の税率の例。東京都で確認できる値(資本金1億円以下の中小法人・令和4年4月以後開始事業年度〜)。全国一律ではなく、自治体により異なる場合があります。
所得の区分所得割の税率備考
年400万円以下3.5%資本金1億円以下の中小法人
年400万円超〜800万円以下5.3%同上
年800万円超7.0%同上

さらに、法人事業税の所得割額には特別法人事業税が上乗せされます。これは法人事業税の所得割額に一定の税率をかけて計算し、都道府県が課税して国に払い込む税です。中小法人に適用される税率はおおむね所得割額の37%が目安とされますが、この数値は確定した一次ソースの本文を確認できていないため、正確な額は事務所のある自治体でご確認ください

事業税・特別法人事業税は自治体で確認を

ここで示した所得割の税率(3.5%・5.3%・7.0%)は東京都で確認できる値で、全国一律ではない場合があります。また超過課税を行う自治体もあります。法人事業税・特別法人事業税の正確な税率と計算は、東京都に事務所がある場合は東京都主税局、それ以外は各都道府県の窓口でご確認ください。法人が払う税金全体の概観は法人にかかる税金の種類と実効税率で整理しています。

⑤事業年度が1年未満なら均等割は月割

設立1期目などで事業年度が12か月に満たない場合、均等割は月割で計算します。具体的には、年額に事業年度の月数をかけて12で割ります(1か月未満の端数は切り上げ)。

均等割の月割計算(地方税法52条・312条)

  • 計算式:均等割の年額 × 事業年度の月数 ÷ 12
  • 事業年度の月数に1か月未満の端数があれば切り上げ
  • 例:年額¥70,000で事業年度が8か月なら、¥70,000 × 8 ÷ 12 = 約¥46,600(百円未満切捨て)

設立初年度は事業年度が1年未満になることが多いため、均等割も年額より少なくなります。なお、計算の端数処理は自治体の取り扱いによる部分があるため、正確な額は申告先の自治体でご確認ください。設立の流れや初年度の手続きは会社設立後にやることリストで整理しています。

よくある質問(FAQ)

赤字でも法人住民税はかかりますか?

はい、赤字でも法人住民税の「均等割」はかかります。法人住民税は、所得に関係なくかかる均等割と、法人税額に応じてかかる法人税割の2つでできています。このうち均等割は、所得がゼロでも赤字でも課税される固定費で、資本金等の額が1千万円以下・従業者数50人以下の法人なら最低で年¥70,000(道府県民税¥20,000+市町村民税¥50,000)です。一方、法人税割は法人税額に連動するため、赤字で法人税がゼロなら法人税割もゼロになります。

均等割の¥70,000の内訳はどうなっていますか?

資本金等の額が1千万円以下・従業者数50人以下の法人の場合、均等割の最低額は年¥70,000で、内訳は道府県民税分が¥20,000、市町村民税分が¥50,000です(地方税法52条・312条)。東京都の23区内に事務所がある場合は、これらをまとめて都民税として都税事務所に申告・納付します。なお、資本金等の額や従業者数が増えると均等割の額も段階的に上がります。

均等割は資本金が増えると上がりますか?

はい、均等割の額は資本金等の額と従業者数の区分によって段階的に上がります。確定値として示せるのは、資本金等の額が1千万円以下・従業者数50人以下の法人の最低額¥70,000です。資本金等の額が1千万円を超える場合の具体的な金額は区分ごとに定められており、自治体によって取り扱いも異なります。正確な金額は、東京都に事務所がある場合は東京都主税局、それ以外は各都道府県・市町村の窓口でご確認ください。

法人税割の税率はどのくらいですか?

法人税割は、法人税額に税率をかけて計算します。標準税率は、道府県民税分が1.0%、市町村民税分が6.0%で、合わせて7.0%です(令和元年10月1日以後に開始する事業年度から・地方税法53条・321条の8)。ただし、これは標準税率で、自治体によっては超過課税としてこれより高い税率を定めている場合があります。実際に適用される税率は、事務所のある自治体でご確認ください。なお、法人税割は法人税額に連動するため、赤字で法人税がゼロの年は法人税割もかかりません。

法人事業税も赤字ならかかりませんか?

資本金1億円以下の中小法人の場合、法人事業税は所得に応じてかかる所得割が中心で、赤字で所得がなければ原則として課税されません。この点は均等割と異なります。所得割の標準税率は、東京都で確認できる値では年400万円以下が3.5%、400万円超800万円以下が5.3%、800万円超が7.0%です。さらに、法人事業税の所得割額に上乗せされる特別法人事業税があります。税率や取り扱いは自治体により異なるため、正確な額は事務所のある自治体でご確認ください。

出典・編集情報

このページは以下の法令・自治体資料を一次ソースとして作成しています。内容は令和8年度(2026年)時点の制度に基づきます。税率・金額は標準税率や東京都で確認できる値を中心に整理しており、適用される税率・額は事務所のある自治体によって変わります。

執筆: 法人化ナビ編集部 / 最終更新: 2026年6月5日

このページの内容は令和8年度(2026年)時点の現行法令・自治体資料に基づく一般的な解説で、個別の事案への適用を保証するものではありません。均等割の額・法人税割の税率・法人事業税や特別法人事業税の税率は、資本金等の額・従業者数・事務所のある自治体・超過課税の有無によって変わります。確定値として扱うのは均等割の最低額¥70,000で、それ以外の税率・額は標準税率や東京都で確認できる値を目安として示しています。正確な税額は、申告先の都道府県・市町村(東京都の場合は東京都主税局)または税理士にご確認ください。

本ツールは令和8年度(2026年)の税率・基準をもとに計算しています。最新の情報は各省庁のWebサイト等でご確認ください。